【動画編集の真実】テロップが少ない動画の方が高単価になりやすいってホント?


「動画編集の仕事って、テロップをたくさん打つことなんでしょ?」

そう思っている方も多いかもしれませんね。YouTubeなどで見かける情報系の動画では、話している内容がすべて文字起こしされた「フルテロップ」が当たり前のように表示されています。そのため、「テロップを打つのが動画編集のメイン業務だ」と誤解されがちです。

もちろん、フルテロップの編集は時間と労力がかかる作業であり、その分の対価は発生します。しかし、実はテロップが少ない、あるいはほとんどない動画の方が、動画編集の単価が高くなる傾向にあるのをご存知でしょうか?

今回は、その理由について深掘りしていきます。


フルテロップ動画の「労力」と「単価」

まず、フルテロップ動画について考えてみましょう。

フルテロップは、動画の内容を視聴者に正確に伝える上で非常に有効な手段です。特に、以下のような動画で多用されます。

  • YouTubeの解説動画やVlog
  • ビジネス系のセミナー動画
  • ニュースや情報番組の切り抜き

これらの動画では、話者の言葉を漏らさず文字に起こし、誤字脱字なく、読みやすいように配置する作業が求められます。確かに、この作業は非常に時間がかかります。10分の動画であれば、文字起こしだけで数時間かかることも珍しくありませんし、テロップのデザインや表示タイミングの調整にも手間がかかります。

そのため、フルテロップの案件は、その「作業量」に応じて単価が設定される傾向があります。分単価で計算されることも多く、長時間になればなるほど、金額は高くなります。

しかし、テロップ作業は比較的「ルーティンワーク」に近い側面も持ちますもちろん、デザインセンスやスピードは求められますが、編集者個人の「クリエイティビティ」が問われる部分は限定的です。そのため、参入障壁が比較的低く、多くの編集者が請け負えるため、単価競争が起こりやすいという側面も持ち合わせています。


テロップが少ない動画の「付加価値」と「高単価」

一方、テロップが少ない動画、あるいはほとんどない動画には、どのようなものがあるでしょうか。

  • 企業ブランディング動画
  • TVCM・Web広告動画
  • 映画・ドラマ・ドキュメンタリー
  • イベントのオープニング/エンディング動画
  • ミュージックビデオ

これらの動画では、テロップは最小限に抑えられ、場合によっては全く使用されません。では、なぜテロップが少ないのに、これらの動画の単価は高くなる傾向にあるのでしょうか?

それは、テロップ以外の「付加価値」や「クリエイティビティ」が圧倒的に求められるからです。

  1. 映像美と構成力:テロップで情報を補完できない分、映像そのものの美しさや説得力が非常に重要になります。被写体の魅力を最大限に引き出す色調補正、視聴者を惹きつける構図やアングル、そしてメッセージを効果的に伝えるためのシーンの繋がりやテンポ感など、高度な映像制作スキルと構成力が求められます。
  2. サウンドデザインの重要性:テロップがない場合、視聴者は視覚情報と聴覚情報から多くのメッセージを受け取ります。そのため、BGMの選定や効果音の挿入、ナレーションの調整といったサウンドデザインが、動画の雰囲気や感情を左右する重要な要素となります。単なるBGMの挿入ではなく、「このシーンにはこの音」という明確な意図を持って設計する専門性が求められます。
  3. 企画力・ディレクション能力:テロップに頼らない動画は、「何を、どのように伝えるか」という企画段階での思考が非常に重要です。クライアントの課題や目標を深く理解し、それを映像で表現するための企画立案能力、さらには撮影現場でのディレクション能力までが問われることがあります。つまり、単なる「編集」作業に留まらず、「動画全体のプロデュース」に近い役割を担うことになるのです。
  4. ブランドへの貢献度:企業のブランディング動画やCMは、企業のイメージアップや売上向上に直結する重要な役割を担います。そのため、これらの動画を制作する編集者には、その「貢献度」に見合った高額な報酬が支払われることが多いのです。

まとめ:真の「価値」を見極める

動画編集の仕事は、単にツールを操作する技術だけでなく、「動画を通じて何を伝え、どのような効果を生み出すか」という本質的な部分を深く追求するクリエイティブな仕事です。

フルテロップの動画は、確かに作業量が多いため、その労働に対して単価が支払われます。しかし、テロップが少ない動画は、編集者のセンス、経験、そして動画全体の企画力や提案力といった「付加価値」が大きく評価され、結果として高単価につながる傾向にあると言えるでしょう。

もしあなたが動画編集で高単価を目指すのであれば、テロップの速度を上げるだけでなく、映像美の追求、サウンドデザインの習得、そして企画力やディレクション能力の向上にも目を向けてみてください。それが、単なる作業者から、真のクリエイターへとステップアップするための鍵となるはずです。

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